腰椎すべり症
腰椎すべり症とは、腰椎部分が歪んで前方へ滑っている状態のことです。中高年に多い症状ですが、 生活習慣あるいは加齢などによって腰椎を支えている椎間板(ついかんばん)、靭帯、筋肉等が柔軟性を失い、その結果、下支えのなくなった腰椎が主に前方へ滑っていく症状です。
すべり症には、骨が後ろ側へずれてしまう”後方すべり”と、前にずれてしまう”前方すべり”がありますが、ほとんどは前方すべりです。その原因によって、形成不全性すべり症、分離すべり症、変性すべり症、と大きく3つのタイプに分けられます。
形成不全性すべり症は、生まれつき脊椎の発育に問題があるために起こりますが、非常にまれです。比較的若いうちから症状が出てくることがあります。
分離すべり症は、分離症が原因でずれてしまうものです。分離症は椎弓の一部である上下の関節突起のちょうど間の部分が割れてしまい、連続性が絶たれて椎弓と椎体、つまり背骨の後ろの部分と前の部分が離れ離れになった状態です。これにより椎体がすべってしまうのが分離すべり症です。第5腰椎に多いのが特徴です。
最も頻度が高く、実際に手術が必要な患者さんの多くは変性すべり症です。変性すべり症は第4腰椎が多く、次に第5腰椎、第3腰椎に見られます。女性に多い病気で、閉経の頃にかけて多く発症します。このことから、女性ホルモンの影響や、女性ホルモンの減少による骨粗しょう症の進行によって、それまで支えられていた骨が支えられなくなって変性すべりが起こるのではないかと言われています。
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